粗利益だけを見て“儲かってる”と誤解しないために ― アマゾン物販の「正しい利益構造」を理解しよう

ネット物販、アマゾン物販の世界では「月商○○万円！粗利益○○万円！」という言葉が華やかに飛び交っています。

しかし、月商や粗利益というのは、利益の中でももっともざっくりとした指標であり、そこだけを見て「儲かっている」と判断するのは極めて危険です。

この記事では、ネット物販初心者が誤解しやすい「利益」の構造をわかりやすく整理しながら、“本当に見るべき数字はどこか”を掘り下げていきます。

粗利益とは？

粗利益とは、売上から商品の仕入れなどの直接的な原価（売上原価）を差し引いたもの。ちなみに「売上原価」とは、販売した商品やサービスの仕入れや製造にかかった費用のことです。

粗利益 ＝ 売上高 － 売上原価

これは「商売として、どれだけ価格を上乗せして売れたか」を示す一番シンプルな指標であり、利益構造を知る上での“とっかかり”とも言えるものです。

別の言い方をすれば、売上＝月商や、販売価格と商品自体の価格差＝粗利益は、実際に儲かっているかを示す値では決してありません。特にSNS上の発信者側が、その点を有耶無耶にして虚勢を張っているので要注意です。

一見、儲かっているように見えますが、実際にはアマゾン物販では次のようなコストがかかります：

そしてもし、これらの「売上原価以外のコスト」が100万円かかったとしたら、粗利益100万円－100万円、すなわち利益ゼロになってしまいます。

粗利益だけを鵜呑みにして「儲かってる」と短絡的に考えてはいけない理由がここにあります。

営業利益は、粗利益から「販管費（販売費および一般管理費）」を差し引いた、本業の儲けを表します。アマゾンにおける「スポンサープロダクト」という広告費も、販管費の1つです。

営業利益 ＝ 粗利益 － 販管費

販管費には以下が含まれます：

営業利益は、本業の収益力を評価する上で非常に重要です。

経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を引いたものです。

経常利益 ＝ 営業利益 ＋ 営業外収益 － 営業外費用

営業とは直接関係ないけれど、企業にとって通常の活動から得られる収益。

経常利益は、企業の”より正確な収益力”を示す指標として、銀行や投資家が特に重視します。

純利益は、最終的に会社に残る“本当の利益”です。
経常利益に加え、特別利益・特別損失・税金などの要素を反映します。

純利益 ＝ 経常利益 ＋ 特別利益 － 特別損失 － 法人税等

企業の通常の経営活動とは無関係な、一時的で臨時の収益。

逆に、通常の経営活動とは無関係な、一時的で予期しない損失。

純利益は、会社に残る“本当の儲け”です。ここから配当が支払われたり、内部留保として再投資されたりします。