中国の仕入れサイト「1688」では、日本で使われる牛革の名称とは異なる表記がされていることが多く、名称の違いを理解しておくことが重要です。
ここでは、日本でよく使われる牛革の名称と、それに対応する中国語名称をわかりやすくまとめました。
1. カーフレザー(カーフスキン)
- 日本の名称:カーフレザー(カーフスキン)
- 中国語の名称:小牛皮(小牛革)、犊皮(犊牛皮)
- 特徴:生後6か月以内の子牛の革で、キメが細かく柔らかい最高級レザー。
2. キップスキン
- 日本の名称:キップスキン
- 中国語の名称:中牛皮、青牛皮
- 特徴:生後6か月~2年の若い牛の革。カーフより少し厚みがあり、強度もある。
3. カウハイド
- 日本の名称:カウハイド
- 中国語の名称:成年牛皮(成年牛革)、母牛皮
- 特徴:生後2年以上の雌牛の革。ステアハイドより柔らかく、加工しやすい。
4. ステアハイド
- 日本の名称:ステアハイド
- 中国語の名称:成年公牛皮(成年公牛革)、阉牛皮
- 特徴:生後2年以上の去勢牛の革で、厚みが均一で強度があり、加工性が高い。
5. ブルハイド
- 日本の名称:ブルハイド
- 中国語の名称:公牛皮(公牛革)
- 特徴:生後2年以上の雄牛の革。ステアハイドよりも厚くて丈夫。
6. ハラコ
- 日本の名称:ハラコ(毛付きの子牛革)
- 中国語の名称:小牛毛皮(犊牛毛皮)
- 特徴:胎児または生後間もない子牛の革で、毛が付いたままの状態。
7. グレインレザー
- 日本の名称:グレインレザー(フルグレインレザー、トップグレインレザー)
- 中国語の名称:全粒面牛皮(フルグレインレザー)、半粒面牛皮(トップグレインレザー)
- 特徴:
- フルグレインレザー(全粒面牛皮):表面を加工せず、自然なシワや傷が残っている高品質レザー。
- トップグレインレザー(半粒面牛皮):表面を少し加工し、均一な仕上がりにしたレザー。
1688でよく見かける牛革の種類(中国語名称)
1. 牛革の基本分類
- 头层牛皮(トウツェン ニュウピー / 一層牛革):トップグレインレザー(表革)
- 特徴:头层牛皮は、革の表面(トップレイヤー)を使用した高品質なレザーです。耐久性が高く、自然なシボがあり、しなやかさを持っています。加工が少ないため通気性が良く、高級ブランド製品などに多く使用されます。
- 特徴:头层牛皮は、革の表面(トップレイヤー)を使用した高品質なレザーです。耐久性が高く、自然なシボがあり、しなやかさを持っています。加工が少ないため通気性が良く、高級ブランド製品などに多く使用されます。
- 二层牛皮(アーツェン ニュウピー / 二層牛革):スプリットレザー(床革)
- 特徴:二层牛皮は、头层牛皮の下層部分を使用した革です。表面をPUコーティングやエンボス加工することが多く、耐久性や見た目を向上させます。比較的コストが低く、大量生産向けの製品によく使われます。
头层の「头」はどういう意味?
中国語で牛革の名称に使われる「头(tóu)」は、日本語では「頭」という漢字になります。「最上級の部分」「最初の層」といった意味を持ち、革の等級や部位を示す重要な要素です。
例えば上述した「头层牛皮(頭層牛皮)」という表現があります。
- 「頭」=最上層や第一層を意味する
- 「头层牛皮(頭層牛皮)」は、牛の皮の表面(最も外側の層)を指し、高品質な天然皮革とされています。日本語では「トップグレインレザー」や「フルグレインレザー」に相当します。
- それに対して、内側の層を加工して作られたものは「二层牛皮(二層牛皮)」と呼ばれ、分割革や再生革などが含まれます。
- 「头」=主要な、最も価値がある部分
- 例えば「头层(頭層)」という表現は、皮の最上層であり、最も丈夫で耐久性がある部分を指します。
2. 牛革の品質・加工による分類
- 全粒面牛皮(チュエンリィミェン ニュウピー / フルグレインレザー):最高品質の牛革
- 修面牛皮(シウミェン ニュウピー / 修正面牛革):表面を軽く削った牛革
- 磨砂牛皮(モーシャー ニュウピー / ヌバックレザー):起毛させた革
- 绒面牛皮(ロンミェン ニュウピー / スエードレザー):裏面を起毛加工した革
- 漆皮(チーピー / パテントレザー):エナメル加工の革
- 压纹牛皮(ヤーウェン ニュウピー / 型押し牛革):エンボス加工された革
- 疯马皮(フォンマーピー / クレイジーホースレザー):オイル仕上げのアンティーク風レザー
3. 特殊な名称(1688でよく見られる)
- 二斗牛皮(アードウ ニュウピー / 二斗牛革):表面を軽く加工したトップグレインレザー
- 三斗牛皮(サンドウ ニュウピー / 三斗牛革):二斗牛皮よりもさらに表面加工された革
- 半粒面牛皮(バンリィミェン ニュウピー / 半粒面牛革):フルグレインより加工が入ったが、ナチュラル感のある革
- 剖层牛皮(ポウツェン ニュウピー / 剖層牛革):二層に分けられたスプリットレザー
4. 牛の年齢や部位による分類
- 小牛皮(シャオニュウピー / カーフスキン):子牛の革(高級な柔らかい革)
- 中牛皮(ジョンニュウピー / キップスキン):生後6か月~2年の牛革
- 成年牛皮(チェンニェンニュウピー / ステアハイド):成牛の革
- 黄牛皮(ホアンニュウピー / 黄牛革):中国特有の黄牛(ホアンニュウ)から採れる革
- 水牛皮(シュイニュウピー / バッファローレザー):水牛の革で厚みがある
アマゾン販売におすすめの牛革
- 高品質・高価格帯向け:フルグレインレザー(全粒面牛皮)、カーフスキン(小牛皮)
- コスパ重視の中価格帯向け:トップグレインレザー(头层牛皮)、キップスキン(中牛皮)
- 低価格帯・大量生産向け:スプリットレザー(二层牛皮)、PU加工革
1688(アリババ)でよく見かける牛革
- 一般的に多い:二层牛皮(スプリットレザー)、头层牛皮(トップグレインレザー)
- 高品質なもの:全粒面牛皮(フルグレインレザー)、疯马皮(クレイジーホースレザー)
- 安価で大量流通:PU加工された二层牛皮(スプリットレザー)
特に高品質な牛革
- フルグレインレザー(全粒面牛皮):表面加工なしで最も丈夫
- カーフスキン(小牛皮):柔らかくてなめらか、最高級
- 疯马皮(クレイジーホースレザー):オイル仕上げの高級感ある革
1. フルグレインレザー(全粒面牛皮)
✅ 特徴:
- 牛の皮の最上層(头层牛皮 / 頭層牛皮)を使った高品質な革
- 自然なシワやキズを残し、最も丈夫で耐久性が高い
- 使うほどに**美しい経年変化(エイジング)**が楽しめる
✅ 用途:
- 高級バッグ、靴、財布、ベルト
✅ メリット・デメリット:
✔️ 耐久性抜群、自然な風合い
❌ 高価、傷や汚れが目立ちやすい
2. カーフスキン(小牛皮)
✅ 特徴:
- 生後6ヶ月以内の子牛の革(小牛皮)
- 非常に柔らかく、きめ細かい
- 傷が少なく、しっとりした手触り
✅ 用途:
- 高級ブランドの靴やバッグ、手袋、革小物
✅ メリット・デメリット:
✔️ 柔らかく、肌触りが良い
✔️ 上品な見た目
❌ 強度がやや低く、キズがつきやすい
3. クレイジーホースレザー(疯马皮)
✅ 特徴:
- フルグレインレザーにオイル加工を施したもの
- 表面にオイルを染み込ませることで、傷や擦れで色が変化する
- ヴィンテージ感があり、使うほど味が出る
✅ 用途:
- ヴィンテージ風のバッグ、ブーツ、財布
✅ メリット・デメリット:
✔️ 経年変化が早く、味が出やすい
✔️ 耐水性が高い(オイル加工による)
❌ 傷がつきやすい(ただし、それが風合いになる)
革の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
フルグレインレザー | 天然の最上級層 | 丈夫・エイジング美しい | 高価・キズが目立ちやすい |
カーフスキン | 子牛のなめらか革 | しなやか・上品な見た目 | 傷がつきやすい |
クレイジーホースレザー | オイル加工された牛革 | ヴィンテージ感・耐水性 | 傷がつきやすい(味になる) |
まとめ
1688での取引では「二斗」「三斗」などの名称がよく使われ、これは革の品質や加工の程度を示すものです。購入する際には、どの種類の革が適しているか確認して選ぶとよいですね。
中国での仕入れを検討する際には、上記の名称を参考にしながら適切な革を選びましょう!
コメント